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【訪問記】香水の街、グラース

このビジネスをスタートして初めて南仏・グラースにあるフレグランスのラボ(研究所)を訪れました。その時から少し経ってしまいましたが、ご紹介したいと思います。

香水の街、グラース



みなさんはグラースという街をご存知でしょうか?

 

グラース(Grasse)はフランスの南東部に位置するアルプ=マリティーム県にある都市で、香水のメッカとしてよく知られています。18世紀終わりから香水産業が盛んで、現在ではフランスの香水・香料の2/3がグラースで作られ、年間売上は600億ユーロ。

 

私は、前日にニースに入り、当日はセントカンパニー社と提携しているフレグランスの研究所から手配していただいた車でグラースの街まで約40分かけて移動。ニースは地中海に面する海辺のリゾート地ですが、地図上ではさらに真上に山道を登っていく感じでした。そこは標高300mの地域。花の産業がメインで、100ほどあるラボラトリー(研究所)では貴重な花のみ栽培されています。特にバラはその代表格。

フレグランス・ラボ


狭い道を通り抜けると、立ち並ぶ研究所が見えてきました。

 

大きな平屋の建物がその研究所。玄関を入ると、セールスマネジャーが出迎えてくれました。その後、すぐに代表の部屋を訪れてご挨拶。

まずはセールスマネジャーと二人で日本市場の様子、日本人の嗜好などを話し、今後の製品展開、リクエストなども聞いてもらい、オフィスツアーに。(海外の企業は普通にオフィスの中を案内してくれる)実際のフレグランスの分析、調香作業を行なっている部屋を訪れ、調香最終段階にある製品も少し嗅がせてもらえました。それは某有名ブランドの最新作。私自身も好んで日々つけているブランドの最新作とあってか、ムエット(試香紙)にたっぷりつけてカバンに入れてしまいました。

 

1時間の滞在でしたが、非常に満足のいく内容でした。

香水のできるまでを工場見学



次の日、日本でも有名になっているブランド・フラゴナールの工場兼ショップへ。

 

ここは観光客向けの施設で(通常はグラースエリアに行ってもアポイントがないと見る場所はない)、香水のできるまでの過程を工場見学できます。もちろん最後はショップでの買い物コース付き(もちろん強制ではない)。

 

ここで、フレグランス(香水)ができるまでを少しご紹介しましょう。

 

原料の選定

 

フレグランス(香水)の製造は、まず原料の選定から行います。たとえばバラを原料にする場合は、産地や品種、さらにバラのどの部分を使用するかによって香りや製造方法が変わるため、事前に用途に合った香りのイメージを固めておく必要があります。原料は全世界からフランス・グラースに送られてきます。

 

抽出

 

次は香りの抽出作業。植物性香料の抽出によく用いられるのが「水蒸気蒸留法」です。これは、植物を蒸留器に詰めて水蒸気で蒸留させる方法。それ以外にも果皮をローラーにかけて絞り出す「圧搾法」や、ジャスミンをはじめ熱に弱い原料の香りを油脂類に吸着させる「油脂吸着法」など、原料に応じて抽出法を変えます。

 

調合

 

香料が抽出できたら、複数の香料をブレンドする調合作業を行います。香料の割合が少し変わるだけで全く違う香りができてしまうので、オーダー通りの香りに仕上げるために、あらかじめ決められた量の香料を配分していきます。ブレンドしたフレグランスにエタノールと精製水を混ぜ合わせ、完成。


*手順の写真はイメージです

参考文献:工場タイムズ