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心解きほぐす香りの記憶が、信頼へと導く

香りにまで配慮した環境作りが、ホスピタリティにとって重要な役割を果たす時代

 旅行者が宿泊先を選ぶ基準は、建物そのものや、インテリアデザインの好み、癒しを与えてくれる空間であること。そして、何か特別な体験を味わうことができることを期待し選ぶものです。その中で、“香り”は旅行者のホテルにおける体験を、全く異なるアプローチから印象付ける力を持っています。ホテルのインテリアデザイン要素を際立たせ、強力なブランドアイデンティティを作り出すことができるのが“香り”なのです。

 

 カスタムメイドのオリジナルの香りは、ゲストがホテルのロビーに到着した瞬間に、多角的なアプローチでブランドイメージを伝えてくれます。ゲストは目に見えない魅力的な香りに抱かれながら、ホテル内の旅をスタートし、エントランス、レセプション、プライベートルーム、スパ、フィットネスルームなどに誘い込まれます。さらに、ホテル内で無意識に嗅いでいた心地よい香りの記憶は、脳内にとどまり続けます。そのため、ゲストがホテルの外で同じ香りを嗅いだだけで、ホテルでの体験を瞬時に呼び起こしてしまうほど強い力を持っています。

5ツ星ラグジュアリーホテル:パークハイアット ミラノ カスタムメイドの香りの旅

 MilanoのPark Hyattはユニークで魅力的なブランド環境を作り出すために、セントカンパニー社と共に、“香りのブランディング” を導入しました。

 Park Hyattの香りブランディングプロジェクトは、ホテルのマーケティングミックスの一部です。つまり、ゲスト(お客様)と繋がるロゴ、色、音、光、インテリアなどのブランドツールの一つとして“香り”を位置づけ、今まで以上に深くブランドイメージを高める役割を果たします。

 

 

Milano のPark Hyattの空間の香りのテーマは、“種と貴重な森の繊細さ”。ベルガモット、ユーカリ、マートル、ブラックペッパー、シナモン、ゼラニウム、エレミとシダーウッドをブレンドしたこの香りは、五感をそっと撫でるような心地よさを与えます。

遥かなる島のブラックペッパー

 調味料として馴染みのあるブラックペッパー(黒こしょう)ですが、実は、一つの香料を構成する上でも、嗅覚と味覚の両方に感覚を刺激することのできる、非常に重要でかつ補完的な役割を担う香料です。

 

ブラックペッパーは、4世紀頃ギリシャで発見され、当時は物々交換のアイテムや贈り物として金と同じように貴重なものとして扱われていました。そんな歴史のあるブラックペッパーは、香料の要素を構成する上で、スパイシーさ、フレッシュさ、ウッディさといった微妙なニュアンスを付与するのに不可欠な存在です。